田遊祭の練習

みなさん、こんばんは!ぐわおぉ!12月も半分過ぎちゃったよ~汗
連夜の忘年会責めで、ちょっとへたばり気味のjunoですガーン

さて、本日のトップ画像は宴会の余興の練習風景・・・ではなくて、
田遊祭の練習
毎年正月七日に開催される、法多山伝統の田遊祭の練習風景なのです!
ご存じない方には「田遊祭って何じゃらほい?」だと思いますので、説明しますと、
室町時代から法多の地に伝わるお正月の伝統行事で、五穀豊穣を願い
田植えのしぐさを摸した舞などの芸能を奉納するというお祭りなのです・・・
ちなみに法多山の田遊びは静岡県の無形民俗文化財に指定されています!

お祭りといえば、遠州各地で行われる“秋祭り”を思い出されると思いますが
秋祭りが実りに感謝する“感謝祭”であるとするならば、法多山の田遊祭など
早春に実りを祈念する行事は“春のお祭り”として対になっているのです・・・
こうした春の祈りのお祭りを専門用語で“予祝芸能”というそうです人差し指

と、冗長な蘊蓄はここまでで・・・トップ画像は田植えの様子を摸した“早乙女”です!
昔は“田植え初日”といえば大変重要で喜ばしい日、謂わばお祭りみたいな日ですから
各村では若い娘たちが踊り歌いながら田植えをしました!この女性を“早乙女”といいます!
法多山の田遊びは法多山に住む15歳から70歳までの男性しか参加できませんので
この“早乙女”の役はその中でも若いものたちによって演じられることになっています・・・
後ろで扇子を持って踊っているのが早乙女、前で一人で踊っているのが鞨鼓(かっこう)です!
今は練習ということで、仕事着やジャージ姿が多いですが、当日はこんな感じです。
田遊祭の練習
Oops!しまった!またまた冗長な説明になっちゃいましたね汗

とにかく、他にも米作りを摸した様々な所作が繰り広げられるわけです・・・
いやとっても失礼な話なんですが、演じている本人たちは大真面目ですし、
500年以上前から伝わる伝統芸能なんですが、なんかユーモラスなんですよねニコニコ

田遊祭の練習
大きな声で謡いながら、鍬を振り上げ・・・

田遊祭の練習
畳の上を耕します・・・

ここであのコトコト市が行われていたと思うと、なんか不思議というか面白いというか・・・
まあ、とにかくこの季節には法多の人々が紫雲閣に集って田遊祭の練習をするんです!

でも、この寒い中、そして年末の忙しい中、練習に集う皆さんは本当にお疲れ様です・・・
確かに民俗文化財にも指定されている歴史ある伝統行事であることに違いはないのですが
この田遊祭に参加することで、ステイタスが上がるわけでも、収入が増えるわけでもありません!
目に見えてメリットがあるわけでもないのに、法多の人々がこぞって参加している姿は
“郷土愛”などという陳腐な表現では表すことのできない素晴らしい感動を覚えてしまいます・・・

それと同時に、こうした行事が残っている地域にいることは幸せなんだと思うのです・・・
さっき上で“春の祈りの祭”と“秋の感謝の祭”は一対になっていると書きましたが
かつては何処の土地でも“春の祭”と“秋の祭”はごく当たり前に行われていたのです・・・
それが“期待と決意”そして“喜びと感謝”という世の中を幸せにする歯車になっていました!
農耕文化が廃れ行くと同時に、こうした行事、特に“春の祈りの祭”は廃絶していきますが
時代や文化が変わろうとも、人が天地(あめつち)に祈り感謝することは必要なはずです!
もちろん、田遊祭も形骸化しているわけですが、それでもこうして形として祈りの心を
表現できる機会があることは、法多の人々の心を健やかに保つ一助になっているはずです!

もう一つ素晴らしいと思うことは“受け継がれている”ということです・・・
田遊祭の練習
練習が終わった後、“早乙女”の鞨鼓役の青年が先輩から指導を受けています・・・
教える先輩も、かつて自分が鞨鼓の役の時にそのまた先輩から指導を受けてきたのです。
民俗芸能の継承は文章ではなく口承、知識ではなく実体験による智恵によるものです人差し指
そして受け継がれるものは何も“謡い”や“踊り”の技術ばかりではありません・・・
伝統を守ることの重要性、人と人との信頼の大切さ・・・言葉では表現できない数多のもの・・・

ここで培われる人間関係やお互いの信頼関係は、また日常生活へと還元されていきます。
法多地区は100軒に満たない集落、まあ田舎の集落の特徴といってしまえばそれまでですが、
赤ん坊からお年寄りまで、殆どの人が地区内の全ての人の顔や家が解る状態です・・・
これってコミュニティの防災や防犯など安全の要となるとても重要なことだと思うんです!

未曽有の災害に遭ったこの年に、安寧に暮らせることの幸せと天地への感謝の心、
そして人々が支え合って生きていくことの素晴らしさ・・・こうしたことを
法多山の田遊祭を通じて、踊る人も、またそれを観る人も感じてもらえれば嬉しいです・・・

来年の正月七日、法多山で奉納される田遊祭を是非ご覧になりに来てくださいね!



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