法多山　徒然なるままに・・・

みなさん、こんばんは！今週は東奔西走･･･あっちゃこっちゃのjunoです

つい先日も、日頃からいろいろ学ぶことの多い、コンセプトの佐藤雄一さんと
マツヤマデザインの松山君にお誘いいただいて東京に行ってきました！
行ってきたのは、僕には若き良き時代を思い出させる青山のスパイラルです･･･
実はスパイラルホールであの浜野安宏さんの出版記念パーティがあったのです！

活躍される分野が多すぎて、肩書を付けるのが却って難しい浜野さん･･･
まあ僕らがステキやオシャレを感じて憧れた全てを創造してきた方ですね！
無論、僕が浜野さんと面識があろうはずもないわけですが、驚いたことに
松山君や佐藤さんは浜野さんと同様にクリエイティブな仕事をしているだけでなく
なんと浜野さんとはフライフィッシング仲間だったりするんだそうです

なんの面識もそうした方面への素養も全く無い僕が出席するという
厚かましさは重々承知の上で、パーティに参加させていただきました･･･

当代一流の文化人の出版記念パーティーですから演出はもちろん、


出席者も加藤登紀子さんだったり、コシノジュンコさんだったり
三浦雄一郎さんだったり、TUTAYAの増田CEOだったりと錚々たる方々･･･
↑は、お登紀さんが『紅の豚』の挿入歌「さくらんぼの実る頃」を
アカペラで歌ってくれたシーンですが、なんと歌の最後には
マダム・ジーナのあの名セリフ「みんないい子ね！」のサービスまで

まあそんな豪華さみたいなことにも驚いたり感動したりしたんですが
何よりも心ときめかされたのが浜野安宏さんのご本人の姿なんです･･･
齢70を超えて、猶も情熱、才能、そして欲望が枯れることのない生き様･･･
50年に渡るギンギラなライフスタイルと仕事はどれをとっても感動です！

中でも、驚き、そして感動したのが東急ハンズのロゴ誕生秘話なんです！

ハンズの生みの親が浜野さんであることは知っている人は知っていることですし、
ハンズのロゴの両側が“手”を表していることは誰でも想像できることです
しかし、それが“お釈迦様のお手”だと知っている方は殆ど居ないと思います･･･
かく言う僕も知らなかったんですが、今回のお話で知ることができました！

実はこの手のモチーフは「拈華微笑」というお釈迦様の逸話にあるそうです･･･
お釈迦さまがご在世のころ、大勢の羅漢（弟子）を前に禅の深奥を説かんとして
手近にある蓮の花をお手に取られて、軽くねじるようにして見せられたそうです･･･
しかし、数多の弟子たちはその意味が解らず、黙って首をひねるのみでした･･･
ところがそうした弟子の中で唯一人だけ摩訶迦葉だけはその意味を理解して
にっこりと微笑んだそうです･･･そして禅の奥義を授けられたと謂われます。

この「拈華微笑」は禅宗で説くところの「以心伝心 不立文字」の象徴であり
お釈迦様から摩訶迦葉様へ言葉を介さず教えが伝えられたという「コト」や
或いは仏教の真髄の象徴である蓮華という「モノ」に焦点が当てられます。
しかし、浜野さんが注目したのは他ならぬお釈迦様の「手」だったのです！

浜野さんは古都京都の町家の出身、まさに「ものつくり」の中で生まれ育ちました。
仏様の教えに触れる機会も多かったでしょうし、何より浜野さんのお父様が
「手で物を作ることが大事なんだ。物を作るのは手なんだよ。」ということを
浜野さんが幼い頃から常々教え諭されていらっしゃったそうです･･･

デパートでもホームセンターでもないクリエイティブライフストア東急ハンズ･･･
東急ハンズの構想が持ち上がったときに、真っ先に浜野さんの頭に浮かんだのが
手で集めて手で売ろうという「手の復権」というコンセプトと･･･そして、
上で述べた浜野さんのお父さんの言葉と「拈華微笑」のお話だったそうです！
浜野さんは東急ハンズと拈華微笑についてこうスピーチされていました･･･

お釈迦様の教えは素晴らしい、そして言葉ではなく一輪の蓮華を通して、
教えが伝えられたこともすごい！蓮華の花は仏教の真理そのものなんだ！
でも、お釈迦様が花を手に取り、ひねることがなかったら、教えは伝わらない、
つまりお釈迦様の「手」によって、初めて花は花から三千世界となるんだ！
そんなことを思い、お釈迦様の手を東急ハンズのシンボルに選んだんだ！

このお話を聞いたとき、（不遜な物言いですが）仏様の教えを説くべきはずの僕が
はたと膝を打ち、「それだ！」と叫びたくなる衝動に駆られるほどでした！
さて、その理由とは？･･･長くなりそうなので、答えは次回に続きます･･･