真説:法多山御籤 後篇

juno

2010年10月22日 23:33

みなさん、こんばんは!あ~よかった!よかった!のjunoです・・・
何がよかったって!?胃カメラ無事終了、検査結果も良好だったからです
今回も前回に続いて、法多山のおみくじについてお伝えします!

前回の前篇では「法多山のおみくじはホントに凶が多いのか?」という
お題から始まりまして、100本中30本が凶で、その割合はおみくじの
元祖というべき『元三大師御籤』という江戸時代のおみくじに由来するという
そういうお話をしました!※詳しくは前回のお話を読んでネ!

今回は、前回からの宿題になっている「法多山のおみくじの歴史」などを
中心にいろいろネタをとりまぜながら後篇をお送りいたします・・・

さて今回のトップ画像は前回と180度変わって第1番の「大吉」です!

「ん!?なんかいつものと違うっぽい・・・」とお気づきではないでしょうか?
実は上の画像のおみくじは、今のおみくじの旧バージョンなのです!
どれぐらい前のかっていいますと、江戸後期~明治時代までですから
今から200年前~100年前までの間お授けされていたものなのです!

江戸時代から法多山ではおみくじがあったというだけでも話のネタなんですが
実はマエフリでして、ぶっちゃけ画像のおみくじなんて今日刷ったばかりです
「って・・・junoさん、それインチキじゃん」とツッコミが入りそうですが
そこはソレ!毎度ながらの展開でして、ちゃんと用意してありますヨ!

さて私は「刷った」と書きましたが、刷ったものなら「原版」があるわけです!
その「原版」というのがこちらの江戸時代に作られた版木なのです

法多山のおみくじは江戸時代から続く歴史があるってもさることながら
当時の版木が完全な形で50枚残っているというのは驚くべきことです

「って、50枚って半分しか残ってないじゃん」・・・はいはい、慌てない慌てない!
さすが昔は今以上に「エコの時代」ですから、版木もこんな風に鏡で裏をみると・・・

裏表に奇数偶数で彫ってあるので2×50枚=100というわけなのです
  ※自慢してみたものの、わかりにくい画像で申し訳ありません・・・

江戸時代のおみくじの版木は、県内では島田の智満寺さんなどに残っていますが
全ての版木が完全な形で残っているのは、全国的に見ても貴重な事例なのです・・・
そんな意味で前回の終わりに「レアな証拠」と書かせていただいたわけです

このように法多山では江戸時代からおみくじをお授けしてきた歴史があるわけですが、
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、実は現代も殆ど内容が変わっていません
良い意味で伝統を守っていて、悪い意味で旧態依然の状態というわけです・・・
実際に第3番(凶ですけど)のおみくじの新旧を比べてみましょう。

こちらが江戸時代のもので

こちらが現代のものです・・・

多少の差異はあれ、ほとんど同じであることがおわかりいただけますか?
まあ、とはいうものの昔のは、ミミズがのたくったようで判別不能ですが
ただ現代のおみくじのなかにも「元服」「仕官」「忠義」などと
もはや時代劇の中でしか使用されていない言葉が結構出てきます
それに加えて・・・というかそれ以上に難解なのが例の「漢詩」です!
下段の意訳や、左側の説明で何となくはわかりますが、具体的にはですよね
昔のものに至っては、左側の説明すら無しですから、なおさらだったでしょう・・・

事実、おみくじを引かれた人で「さっぱり内容がわからないので教えてください」
と言って来られる方がときどきいらっしゃいます・・・が、実はこれがミソなんです!
法多山のおみくじは難解です。おそらく昔はどこのおみくじもそうだったのでしょう・・・
もしおみくじの内容がよくわからなかった時、誰にそのことを尋ねますか・・・?
おそらく多くの方が、先述の方のとおり、お坊さんや神主さんに尋ねると思います!

そうなんです!おみくじが参詣者と宗教者がお話をするきっかけになっているのです!
実はこれ、宗教にとっては大変重要なことなのです。仏教でも神道でも大切なのは
「教えを広めること」すなわち「布教」にあるのですが、その基本は「お話し」です!
もちろん文章でも伝わらないわけではありませんが、やはり人と人とが向かい合って
お互いに理解し合うことで、初めて伝えるべきものも伝わると、私は思うのです・・・
つまりは「おみくじはお寺と参詣者とのコミュニケーションツール」であったというのが
前回の「法多山のおみくじはなぜ難解なのか?」という謎に対する私の推理なのです

てなわけで、法多山には若いお坊さん(一応、私も入れといてネ)が何人もいますから
おみくじに限らず、解らないことや知りたいことがあれば遠慮なくお尋ねください
我々も修行になりますし、皆さんも法多山の面白さ(!?)がより分かると思いますよ!
毎月の「写経の会」なんかも、お話ができるいい機会になると思います

というわけで、来月11月の「写経の会」の日程ですが(上手く引っ張ったね)
11月 7日( (ご縁日 ※茶だんご販売日です)
11月21日( (第3日曜日)
両日ともに、午前の部9:30~11:30と午後の部13:00~15:00の2回開催いたします。
筆や硯などの道具も全てこちらにございますので、身一つでご参加いただいて結構です。
なお「写経」の用紙、支具料として500円を当日受付にてご奉納いただきます。
以前の記事をご覧いただければお解りのとおり、Hamazoブロガーさんも多数ご参加です!
  ※ちなみに前回は新たにパールさんとクロスロードさんがご参加くださいました


長々とのつまらない記事を最後までお読みくださり、本当に感謝してます(マジで)
さて次回からは、月末からの楽しいイベントの情報をガンガンお伝えしていきます!
それではみなさん、お楽しみに~!!おやすみなさい

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