仏様になった星々・・・

juno

2010年08月30日 02:01

みなさん、こんばんは!夏休み最後の日曜、楽しく過ごせましたか?
土曜は可睡斎の奥ノ院花火大会に、日曜はボリショイサーカスに行ってきました!
その模様については次回以降にお伝えすることにして、
今回は前々回に引き続き9月20日に開催される「星満夜」にちなんだお話第3弾です!

前々回のお話の中では
①弘法大師によって「東洋占星術」の大著『宿曜経』がもたらされた。
②彼の弟子たちによって「東洋占星術」の集大成「宿曜道」が完成した。
③「宿曜道」は「宿曜師」と呼ばれる僧侶たちの専任であった。
④「宿曜道」は「陰陽道」と並び、平安貴族の信仰・生活の支えであった。
⑤この「宿曜道」の流行によって、12星座(占い)の知識が貴族の間に広まった。
というようなことをお話しさせていただいたと思います・・・

この中でも⑤現代でいう西洋占星術の知識、つまりの12星座占いの知識
1000年前の日本人が既に有していたことは驚きですね・・・
ただ中には「インチキ臭い」と思われている方もおられるかもしれないので
最も目に見えて明らかな形で、それをお示ししたいと思います・・・

さて下の画像は「胎蔵曼荼羅」といい、「金剛界曼荼羅」と一対となり
真言密教の真理を、そして大宇宙(森羅万象)を図画として表したもので、
日本には真言宗の教えとともに弘法大師が持ち帰ったものです!

曼荼羅には中央の大日如来をはじめ、約400体の仏様が描かれています。
この中には、如来や菩薩などの仏様に加えて、シヴァ神など古代インド神話の神々や
ピシャーチャやダーキニーなど神というよりは悪魔に近いものまで描かれていますが、
一番外側の「外金剛部」の何箇所かをクローズアップしてみますと・・・



描かれる尊名(仏の名前)は左上:羊宮、牛宮、男女宮 右上:蟹宮、獅子宮、少女宮
左下:秤宮、蝎宮、弓宮 右下:摩竭宮、瓶宮、双魚宮となっています・・・が
察しのいい方はもうお気づきでしょうが、まさしく西洋占星術の12星座に相当するものです!

で、いくつかの星座についてちょっと補足をさせていただきますと・・・
羊  宮:西洋占星術の「白羊宮」のとおり「白い羊」として描かれます。
牛  宮:西洋占星術の「金牛宮」のとおり「金の牛」として描かれます。
男女宮:本来は男子の「双子」ですが、ここでは男女(夫婦)として描かれます。
蟹  宮:「巨蟹宮」、説明不要ですね・・・
獅子宮:「獅子宮」、上に同じ。
少女宮:「処女宮」、上に同じ。
秤  宮:「天秤」を持った老人として描かれます
蝎  宮:魚と虫の合体に見えますが「天蝎(蠍)」のようです
弓  宮:本来は「人馬(ケンタウルス)」ですが、ここでは弓矢を持った男として描かれます。
摩竭宮:本来はギリシャ神話のとおり、上半身が山羊、下半身が魚の姿ですが
      ここではインド神話の怪魚「マカラ(摩竭)」として描かれます。
瓶  宮:仏具の「宝瓶」として描かれます。
双魚宮:ギリシャ神話のとおり一対の魚「双魚」として描かれます。

ちなみに、左上の図の右隅の雲に乗ったような仏様は「計都星」、つまり彗星です。
また左下の図の秤宮の右下のウサギが乗った半月を持った仏様は「月曜」、つまりお月さまです。
そして、右下の図の双魚宮の右側の顔と手だけの仏様は「羅睺星」とよばれ、
日蝕月蝕を引き起こす原因と信じられていた架空の天体です・・・
このように曼荼羅には仏様になった様々な天体が描かれているのです・・・

こうしてみると「お寺の境内で星空観賞会」もまんざらミスマッチではないような気が・・・
9月20日の「星満夜」では星空を観賞しながら、今回の話を思い出してもらえると嬉しいです

星満夜9月20日・月) に開催いたします! ※詳しくはコチラの記事

  星空観賞会 
   時間:19:30~20:30  会場:本堂前広場 ※雨天中止

  手作り天体望遠鏡工作教室
   時間:1回目18:00~ 2回目19:30~  会場:研修会館
   参加費:900円(教材費込)  定員:各回とも25組

  面白科学グッズ販売
   時間:16:30~  会場:研修会館  販売価格:250円
   ※昔の『科学と学習』の付録のような、大人も楽しめる教材玩具です!

  なるcafe
   時間:10:00~21:00(ラストオーダー20:30)  会場:紫雲閣
   メニュー&価格:コチラをご参照ください。

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