拈華微笑 2

みなさん、こんばんは!さて早速ですが、今回は前回の続きということで・・・

拈華微笑 2
と言いつつ、トップ画像は前回のお話とは全然関係なさそうに思えますが、この場所は
浜野さんの出版記念祝賀会場だったの青山のスパイラルのスタッフ通用(多分)階段です!
なんと階段の壁面一面にアラーキーこと荒木経惟氏の作品がビッシリとびっくり

普段は表のエスカレータやらエレベータを使うので殆どの来館者が立ち入らない場所・・・
かくいう私も若かりし頃、何度かスパイラルに来たことがありましたが知りませんでした。
教えてくれたのは祝賀会に誘ってくれたマツヤマデザインのマツヤマくんです!ありがとう!
彼は祝賀会にはリハーサルから参加していたこともあり、偶然に発見したそうです・・・

にくらしいことに1階部分は普通の真っ白な壁で、階段を上がらないとわからないんです・・・
こういうチラリズムっていうか、悪戯っぽいのって、奢侈禁止令が布かれた江戸時代に
粋にこだわった江戸っ子たちが着物の裏地など見えない部分のお洒落に凝ったという
逸話などを思い出させて、面白いなぁということで載せてみた次第です・・・ナンノコッチャ

っと、閑話休題・・・前回のおさらいをしますと、浜野さんの出版記念パーティの中で
「拈華微笑」という仏教の言葉、そしてそれが浜野さんが手がけた東急ハンズのコンセプトと
大いに関係があるというお話を聞いて、大いに驚き、感動したといものでしたね・・・
拈華微笑 2
実際に浜野さんの今回の著書『想いの実現』にも、こんな風にちゃんと載っているんです!

で、前回は、僕がいったい何でそんなに感動したか?で終わっていましたよね・・・
それについては例によって、またまた回りっくどい説明から入っていきましょうガーン

さて、法多山は真言宗のお寺、すなわち旨とするのは真言密教の教えです・・・
真言密教では、文字に依らず体得する以外に術はない神秘性も重んじる一方で
その教えを具体的に実行する方法や手段そのものも大変に重要視しています・・・

仏教では悟りに至る、或いは人を善き方へ導く方法や手段を“方便”と言います!
方便という言葉は「ウソも方便」という諺など、比較的よく知られた仏教用語です・・・
現代でも“手段”という意味で用いられますが、あくまでもそれは便宜上であったり
その場をしのぐ“一時的な”というニュアンスで使用されることが多いはずです・・・
実のところ、真言密教以外の宗派では方便は“一時的な手段”という意味なのです!

ところが真言密教では、方便つまり手段は仏の智慧そのもの、究極のものとされています!
密教の聖典『大日経』の中に「三句の法門」と呼ばれる密教の神髄を表す言葉があります・・・
菩提心と因とし、大悲を根とし、方便を究竟とす
現代語訳は「仏の智慧は、悟りを求める心を始まりとし、生きとし生けるものを救おうという
大いなる慈悲を基礎として、それを実践する手段そのものを究極最高のものとする」となります。
もっと分かりやすく言うと、仏教において、悟りを求める心も、人を救いたい思いも大切だけれど、
一番大切なことはそれを具体的手段を以って実現することだ!と主張しているのです!

菩提心(悟りを求める心)や慈悲の心を重んじることは他の宗派でも同様ですが、
それらを実行に移す、具体的手段を最重要とするのは密教独特の考え方なのです!
ありがたい教えがあってもそれを伝えることを実践しなければ何も伝わらない・・・
人を救いたいと思っていても、具体的手段を以って実現しなければ誰も救えない・・・
実践されない仏の智慧など、虚しい理想論や空々しいお題目でしかない・・・
まさに「方便を究竟とす」とは、理想論に留まらない実践主義の密教ならでは教えなのです!
そして、この言葉は僕が生涯掲げ続けていきたい“我が生きざま”なのです!

少し話は変わりますが、終宴に近づき、浜野さんは謝辞の中である映像を披露されました・・・
それは9.11テロの貿易センタービルの崩壊を題材にした“映像作品”でした!
繰り返し、様々なアングルでの崩壊の瞬間・・・BGMは『The Star-Spangled Banner』
しかもジミ・ヘンドリックスのディストーション全開のエレキギターの大音量です!
それまで和気藹々としていた会場は衝撃の映像と音楽に圧倒され言葉を失いました・・・

映像が終わり言葉なく静まり返る会場に向かって、浜野さんは一言「よかった!」と・・・
続けて、こんなことを語られました・・・「当時、貿易センタービル崩壊の映像を見た瞬間に
頭の中に流れたのがジミヘンのギターだったんだ!以来10年以上、僕が9.11テロで
感じたことを伝えたくて、この映像と音楽を合わせた作品をずっと作りたかった・・・
さすがに広く公開することは不謹慎と言われるのが目に見えているので、できなかった・・・
今回、我儘ができるこの場でやらせていただいたけれど、本当によかったと思う!」と・・・
9.11テロをどう捉えるか・・・イデオロギー、信条などによって様々な見解があるでしょう・・・
でも僕にとっては、今まで見た9.11テロの映像の中で最も深く心に刻まれたものでした!

こんなことを書くと、また仏教関係の皆さんから、不謹慎だと誹られそうですが
この映像を見せてくれたことも、浜野さんなりの「拈華微笑」なんじゃないでしょうか・・・
僕たちは摩訶迦葉ではないので、浜野さんの想いを理解できなかったかもしれません・・・
でも浜野さんはきっと「それでいい」と思っているはずです!それは想いが伝わることも
想いそのものも大切だけれど、それは伝えるという方便を通じて初めて実現するのですから!

拈華微笑 2
浜野さんのお話は驚かされることばかりだったのですが、特に驚かされたのが
立ち上げた構想のうち、実現できたものは十に一つぐらいだという事実でした!
規模がでかくなれば、カネ、モノ、ヒト、チャンス・・・etc、何か一つ欠けてもダメだとか・・・
でも、とにかく強く強く想って、実現できるようにアクションしなきゃ何も始まらない!
今回50年間の活動の軌跡として出版された『想いの実現』のまさにタイトルそのものなのです!

スケールの超デカイ人のお話をしておて、〆にちっぽけな自分の話なんてアレだけど・・・
有難い教えを説いて人を導くなんて、僕には似合わないし、そもそも無理だと思います!
そんなわけで、僕は僕なりのやり方・・・つまり方便を以って、それを実行しています・・・
そしてそこにある“想い”は「喜んでもらえること」そして「自分もみんなも楽しいこと」です!

実はまだまだやりたいことがいっぱいあって、今も密かに計画進行中なんですキラキラ
いくら楽しいことでも実現しなけりゃ、自分だけの楽しみ、独りよがりの妄想です・・・
やってみて、ダメだったらそれはそれ・・・また想って、実現できるよう頑張ればいい人差し指
だから、やめません!自分がイイと思うことを実現できるように方便を尽くし続けます!

今回の出版記念祝賀会で浜野さんのお話を聞けて、そして刺激的な人々に出逢えて、
方便を究竟とす」という自分のやり方・・・やっぱイイじゃん!って改めて想うことができました!
誘ってくれた、佐藤さん、松山くん、本当にありがとうございました!


タグ :浜野安宏

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